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フランス 、ルーションワインガイド

Thursday, 2022年9月15日 | france

ルーションについて

これまでフランス国外ではあまり知られていなかったルーションが、世界中のソムリエやワイン愛好家から関心を集めています。独特のミクロ・テロワール、古樹からの非常に優れたブドウ果実、良質に培われたブドウ栽培のノウハウなど、この南フランスの産地が人々を引きつける要因は多数あります。

オーガニック栽培とバイオダイナミック農法ワインに注目をしている多くの革新と創造性あるワイン生産者たちが、この産地に新たな活力をもたらしています。ルーションは魅力的かつ評価の高い辛口の白ワイン、ロゼワイン、赤ワインを提供し、特に世界的に名高い天然甘口ワイン(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)や酒精強化ワインの産地として知られています。オーガニック栽培とバイオダイナミック農法によるブドウ栽培に力を入れており、それらの農法を採用しているブドウ畑の割合はフランス国内でもトップクラスです。

土壌

ルーションはさまざまなワインとテロワールに特徴づけられた土地です。その地形は、ピレネー山脈からコルビエール山まで広がり、地中海沿岸に沿って円形競技場のような形状をしています。年間平均325日が晴天で、フランスで最も乾燥し暑い地域です。ルーションは夏は暑く、秋と冬は温暖な気候です。降雨は秋と初春にかけて蓄積されます。ルーション特有の土壌とミクロ気候により、24種類のブドウ品種がこの土地を最大限に表現します。

歴史

過去に私たちが探求したいくつかのワイン生産地と同じく、ルーションのブドウ栽培は紀元前7世紀にギリシャ人によって確立されました。当時、コリントからやってきたギリシャ人商人は鉄の取引で利益を得て、スペインとの国境近くに位置するコート・ヴェルメイユに移住してきた際にブドウの木も持ち込みました。

今となってはおなじみの流れですが、ルーションでのブドウ栽培は後に、ナルボンヌに進出するローマ人によってさらに発展します。ナルボンヌはローマ帝国におけるガリア4州のうちの一つで、その後長期に渡ってワイン交易の中心地でした。

13世紀以降、ルーションのワイン交易は南方はカタルーニャ、東はイタリアに広がりました。13世紀から17世紀にかけては、スペインのマヨルカ王国とアラゴン王国がこの地域を支配していました。この当時、ルーションにとってワイン造りは不運な時期でした。それにもかかわらず、ルーションワインの評判は時代とともに成長を遂げていきます。主な都市に輸出されるのほとんどは甘口ワインでした。甘口ワインは輸送に向いており、味も特徴的であるため輸送費をカバーするため高値で取引されました。

ルーションがフランスの一部になったのは1659年のことでした。今にいたるまで、この地の多くの人々自身はカタルーニャ人であると認識しています。

 

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